この記事では、
- 「スタートアップで長期インターンを始めるか迷っている」
- 「長期インターンで得られる具体的なメリットを知りたい」
という方に向けて、
- スタートアップで1年間、長期インターンをした経験
- 長期インターンによって得られた3つのメリット
- 長期インターンを有効活用する3つの方法
- スタートアップで長期インターンをするときの注意点
について、自分も同じように不安になった経験を踏まえ、実体験ベースでお伝えします。

まるで1個上の先輩とサシ飲みに行ったかのように、「有益な情報が得られた」「心が少し軽くなった」「また明日から頑張ろう」、そんな気持ちになっていただけたら嬉しいです。
1. スタートアップで1年間、長期インターンをした経験

自分は、大学3年生の6月から大学4年生の5月までスタートアップで長期インターンをしていました。
そのときのリアルな経験をお伝えできればと思います。
会社とサービス
大学生が起業して、運営している会社でした。
正社員は10~20名くらいで、休学してフルコミットで働いている長期インターン生が数名、
大学に通いながら、長期インターンをしている人は約10~20名ほどいました。
企業と就活生をマッチングさせるアプリを運営していました。
今では、就活や転職でもマッチングの形式は主流になってきていますね。
業務内容
メインミッションは、就活生にアプリを登録してもらえるように、大学内で営業活動をすることでした。
最初は、自分の周りの人に紹介をし、サークルの伝手を使って、他のサークルに宣伝をすることをしていました。
大学内を歩いてチラシを配ったり、どの時間に何年生がどこにいるのかを把握することで、効率よくアプローチしたりしていました。
チラシを捨てられたり、明らかに聞こえる声で、「怪しい」「ヤバいやつだ」と言われたりするなど、
とても心が苦しくなることもありましたが、サービスを紹介する中で、「こんなサービスに出会いたかった!」と思ってもらえるような経験をしたこともあったので、良い部分を見て頑張ろうと思って行動しました。
就活に関するセミナーを企画して、就活生に参加してもらうことで、アプリを知ってもらうきっかけを作っていました。
業界動向や採用担当者が気にするポイントなどに関する情報を、オフラインとオンラインの両方を活用して就活生に届けていました。
アプリに登録している約1,000名の就活生のプロフィール情報を要約することをしました。アプリに登録している就活生はもっといましたが、プロフィールが充実している上位層に絞り込んだ施策でした。
この施策の背景としては、採用担当者が就活生を探してスカウトを送るときに、すべてのプロフィールを確認するのは
とても時間がかかります。採用担当者がスカウトを送る作業を効率化するために、就活生のプロフィールの注目ポイントを
まとめて確認できるようにしようという狙いでした。そのときは、AIを使うなどということもあまりなかったため、人力で作業をしていました。
報酬体系
アプリに登録してもらう活動については、基本的に成果報酬型でした。
アプリ登録後にアンケートで、「誰からサービスを紹介してもらったか?」「紹介の満足度はどうだったか?」を回答してもらうことで、誰が営業をしたのかの紐づけと満足度によるインセンティブの付与を行っていました。
営業をしても、アプリを登録してもらえなかった日は、報酬がなかったので、残念な気持ちになりました。
セミナーの企画運営やプロフィールの要約については、それぞれのタスクにどのくらいの時間がかかりそうかを算出し、
その時間×時給で報酬を受け取っていました。
2. 長期インターンによって得られた3つのメリット

大変なこともありましたが、長期インターンをすることによって、得られたことも多くありました。
ここでは、長期インターンをすることで、得られる3つのメリットを実体験をベースにお伝えします。
①仕事を通じて成果を出す意識が身についた
アルバイトでも身につくものはあると思いますが、自分の場合は、長期インターンの報酬が成果報酬型だったこともあり、
時間を使っても、成果がなければ、お金をもらうことができないという状態だったため、
お金をもらうためには、成果を出さなくてはいけないという意識が強く芽生えたと思います。
これは、実際に就職した際にも、「会社で教えてもらう。成長させてもらう。」という考えではなく、
「お金をもらうからには、会社に貢献しなければならない」という考えを持って、自分ができることを積極的にやっていこうという意識にもつながりました。
②長期インターンをした業界のビジネスモデルや課題を知ることができた
自分が報酬として受け取っているお金は誰からもらったものなのかを考えるきっかけにもなりました。
自分の場合は、アプリは無料だったため、登録してもらっても、その登録自体ではお金は発生しません。
しかし、アプリの登録が増えることによって、その就活生にアプローチしたい企業が出てくるので、
その企業側からお金をもらうという構造が人材業界の基本です。
自分が長期インターンをしていた会社のサービスでは、採用が決まったタイミングでお金が発生するのではなく、
スカウトをするためのプラットフォーム利用費という形で、企業から毎月お金を受け取っていました。
そこで課題となってくるのが、就活生に人気の企業と人気のない企業の差です。
就活生に人気の企業は割安で多くの就活生を採用することができますが、
就活生に知られていないような人気のない企業は、
採用もできないのにお金は払い続けなくちゃいけないという状態になります。
就活生に人気のない企業がサービスを解約しないように、
どうにかして就活生をその企業に紹介しようという動きがあることを知って、
自分は学生の立場として、学生の今後のキャリアを考えたうえで就職活動の意思決定をして欲しいと思っていたので、
少しモヤモヤする気持ちがありました。
③長期インターンの繋がりを社会人になったときの仕事に活かせた
長期インターンで出会った人が、別の会社に就職し、自分も別の会社に就職をしたのですが、
数年ぶりに連絡をもらって話す機会があり、実は近しい仕事をしていることがわかりました。
そのきっかけから、長期インターンのときよりも親しく一緒に仕事をするようになるということがありました。
自分が所属するコミュニティに、長期インターンで出会った人が入ってきて、
長期インターンのときのご縁から、「今、どんな仕事してるんですか?」という話になり、
転職のお声がけをいただくことがありました。
実際に転職はしていないですが、お声がけをしていただけると、
今後のキャリアの広がりを感じることができるので、本業でも会社にしがみつくことなく、
しっかりと成果を出して、報われなければ別の会社に行けば良いという気持ちで、ストレスを抱えずに済みます。
3. 長期インターンを有効活用する3つの方法

ここまで自分の実体験をもとに、長期インターンのメリットをお伝えしてきましたが、
ただ長期インターンをやるだけでは、お伝えしたメリットを得ることはできないので、
有効活用するための3つの方法をお伝えできればと思います。
①積極的に手を挙げて挑戦の機会を得る
特にスタートアップの場合は、やることがたくさんあります。
そこで、教えてもらうのを待っていても、成長することはできません。
自分から教わりに行き、積極的に仕事を取りに行くことで、成長していくことができます。
長期インターンや新卒などの年齢が若い時期は、仕事で高いレベルのスキルを求められることは少なく、
エネルギッシュな仕事への向き合い方や推進力を期待しているケースが多いです。
そのため、気負わすに手を挙げて、挑戦する機会を与えてもらい、
わからないことがあれば、勉強して教わりに行くという行動をすることで、
自身の成長につながっていきます。
②長期インターンで学んだことや感じたことをメモする
大学生のうちに、しっかりと会社やサービスのことを理解して働くことができるというのは、
就職活動をする際に、自分がどんなことをしたいか、逆にどんなことはしたくないかを考えるうえで、
とても大きなアドバンテージになります。
自分自身、長期インターンで感じたことをメモしておくことで、
「こういう会社はイヤだな。こういう働き方がしたいな。」というのが明確になっていったので、
新卒で入社した会社も間違っていなかったと思える選択ができました。
長期インターンでの学びは、就職活動で入社した後の仕事に活かすことができます。
「こうすると上手くいく」「これは失敗だった」などのパターンを理解しておくことで、
その会社でも同じようなパターンで悩んでいるときに、
「こうすれば上手くいくかもしれない」という仮説を立てやすくなります。
ここで注意しておきたいのは、あくまで過去のパターンは仮説にすぎないことです。
それぞれの会社で状況は違います。世の中の変化などもあり、過去のことは参考にはなりますが、
今それが正しい選択かどうかは、そのときの状況も加味して判断する必要があります。
③長期インターンでの人脈を大切にする
スタートアップで働く人は、社外の取り組みにも積極的な人が多い印象です。
また、スタートアップは人数も少なく、苦しい時期を乗り越えた仲間として、とても大きな繋がりを作ってくれます。
そのため、将来的にどこでどんな縁があるかわからないので、長期インターンで出会った人とは、
数ヶ月や数年、数十年と先までも見据えた関係を作っておくと良いと思います。
4. スタートアップで長期インターンをするときの注意点

ここまで読んでいただいた方は、長期インターンをしたいという気持ちがあるかもしれません。
ですが、長期インターンを探し始める前に、知っておいて欲しい注意点をお伝えしますので、
しっかりと理解しておいてください。
契約内容を確認する
注意した方が良い契約例を以下に記載します。
- これだけの期間働かないと、(成果を出さないと)報酬が払われない
- 何年以上働かないと辞めることができない
- 企業はいつでも辞めさせることができる
大学生で契約内容をしっかりと確認して契約をする人は、少ないと思います。(自分もそうでした)
だからこそ、企業側が有利な条件で、無知な大学生を搾取するという形を取りやすいため、
「これは自分にとっては合意できないな」と思ったら、契約はしないようにしておきましょう。
特にスタートアップの場合は、大手企業とは違い、契約や法律に関して、グレーな状態で進めている企業もあるため、
軽い気持ちで「大丈夫だろう」とは思わないようにしましょう。
周囲に長期インターンをしている人がいる場合は、どんな契約内容でインターンを行っているのかを聞いてみましょう。
他の会社と比べることで、どの契約条件が厳しいかが分かります。
もし、周囲にいない場合は、SNSやGoogle検索で長期インターンをした人の経験談を探してみることもおすすめです。
受け身の姿勢はやめる
業務を進めるために、勉強をして、自ら教えてもらいに行きましょう。
もし、勉強の仕方も分からないという場合は、社員の人に何を勉強したらいいかを教えてもらいましょう。
主体的に行動できない人は、スタートアップでは働くことができません。
会社は激しい市場で生き残っていくために必死で、気を遣っている余裕はないため、
受け身で待っている人は、自分の居場所がないと感じて辞めることになると思います。
アルバイトとは違うことを理解しておく
ビジネススキルが不足していることと、これまでの自分が知らない領域に飛び込んで行動していることから、
精神的にも少し負荷がかかると思います。
また、アルバイトは研修を踏まえて、とりあえずその時間働けば、お金をもらうことができますが、
スタートアップで長期インターンをするということは、主体的な行動と成果が求められます。
そのため、「思ったよりも大変だな」と感じるかもしれませんが、
長期インターン前よりも成長できると思うので、覚悟を決めて取り組みましょう。
妻が、長期インターンをする大学生をマネジメントする立場として、記事を書いているので、
ぜひこちらも参考にしてみてください。
5. 最後に
スタートアップで長期インターンをするメリットをまとめると
- 仕事を通じて成果を出す意識が身につく
- 長期インターンをした業界のビジネスモデルや課題を知ることができる
- 長期インターンの繋がりを社会人になったときの仕事に活かせる
となります。

新しい物事にチャレンジするのは、誰だって勇気がいることです。
自分の実体験が、少しでも皆さんの心を軽くしたり、背中をそっと押すものになることができたら嬉しいです。
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またこのブログでは、他にもキャリアについて記事を執筆していますので、ぜひ併せてご覧ください。